日本天文学オリンピック
宿泊研修を開催しました

2023/06/03

宿泊研修を開催しました

開催報告

2023年5月20日から5月21日にかけて、平塚市博物館(神奈川県平塚市)にて、第16回国際天⽂学・天体物理学オリンピック( IOAA2023 )日本代表候補を対象とした研修を実施しました。

 

平塚市博物館の入り口前で撮った選手たちの集合写真

平塚市博物館の入り口前で撮った選手たちの集合写真

 

まず初めに参加者と委員の自己紹介をしてから、アイスブレイクとして「星座あてゲーム」を行い親睦を深めました。つづいて、平塚市博物館のプラネタリウム番組を見学して、いよいよ国際大会に向けた研修が始まりました。

IOAA には肉眼および望遠鏡を用いた眼視観測( observation )の試験があります。そこで、屋内にて望遠鏡の種類や仕組み、使い方などについて委員の桑江が講義を行ったのちに、屋上に移動して方角や、腕を使った角度の測り方などを確認しました。

委員と参加者で一緒に夕食をとり、日が沈むのを待ってから、再び屋上に移動して株式会社ビクセンよりお借りした望遠鏡を用いた実習を行いました。実習開始直後は曇天でしたが、地上の目標を用いたファインダー合わせの実習をしていると、途中から幸いにも空が晴れてきたので、金星やダブルダブルスター、アルギエバなどの天体を導入しました。また、経緯台、赤道儀、ドブソニアン望遠鏡の動かし方をそれぞれ実際に操作して確認しました。

 

"屋上で行われた望遠鏡実習の様子"

屋上で行われた望遠鏡実習の様子

 

望遠鏡実習後、宿泊場所へ移動し研修1日目は終了しました。

2日目は、まず平塚市博物館のプラネタリウムを用いて、IOAAが開催されるポーランドの星空を映し出し、天体や星座の位置・名前の確認を行いました。平塚市博物館の学芸員で弊委員会相談役の塚田が参加者たちに星やメシエ天体の探し方を指導しました。また、赤道座標や地上座標をプラネタリウム上に映し出し、天体の時間による動きを体感することができました。

 

"プラネタリウムで行われた実習の様子"

プラネタリウムで行われた実習の様子

 

つづいて、委員の田中による座標についての講義が午前最後の研修として行われました。地表座標、赤道座標の導入からそれぞれの座標間の変換まで説明され、天体の位置を表すという重要な役割をもつ座標について確認できました。質問も飛び交い、太陽日や春分点など基本的な定義についても理解を深められました。

午後も午前に引き続き塚田によるプラネタリウムを用いた実習が行われました。α星β星やメシエ天体の位置のクイズを出し、参加者も楽しんで知識を確認できました。

最後に、IOAA で出題される時事問題にも対応できるように、弊委員会相談役の中道より、ポーランドの偉人の業績(コペルニクスの地動説やキュリー夫人のX線・放射線)に関する講義と、天文の時事ニュース(ブラックホール/ Hubble Tension )の講義がありました。

 

"午後の講義の様子"

午後の講義の様子(著作権の都合で一部編集しています)

 

2日間という短い期間でしたが、IOAA2023 に向けた講義と実習を通して選手同士の仲も深まったようです。8月の IOAA2023 も応援よろしくお願いいたします。

協力団体について

株式会社ビクセン

天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡、フィールドスコープ、ルーペなどの設計、製造を行う光学機器メーカー
URL: https://www.vixen.co.jp/


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