ご挨拶
代表理事挨拶

国際科学オリンピック (International Science Olympiads) は高校生を対象とする国際的な科学のコンテストであり、日本でも多くの選抜大会が開催されています。 天文学分野においても、四半世紀以上前から国際的な大会が開催されていましたが、本委員会設立まで日本からの代表派遣はありませんでした。
私が国際天文学オリンピックを知ったのは、中学校で天文部活動に熱中していた頃です。 学校の枠を超えた交流と学習の場を求めていた私にとって、この大会はまさに夢のような存在でした。 選手として出場することは叶いませんでしたが、多くの方々の温かいご支援により、長年の夢であった天文学の国際大会への代表派遣を実現することができました。
全国規模の大会の強みは、知的好奇心をさらけ出せる同好の士にたくさん出会い、高めあう場を提供できることだと考えています。 中高生の時に参加した科学オリンピックやサマースクールなどで築かれた交友関係は何年も続き、当委員会もそういったご縁の奇跡的な連鎖があって立ち上げられました。日本天文学オリンピックも、そのような人生を変える連鎖を生んでいくことを願ってやみません。
日本天文学オリンピックの継続的な開催は、委員会だけでは達成できない非常に大きな目標です。これからもご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。
岡本沙紀(2024年4月)
相談役挨拶
中高生が参加する国際的な科学オリンピックは、報道でもしばしば取り上げら れています。しかし、天文学に関する科学オリンピックについては、日本からの出場のルートはありませんでした。 今回、科学オリンピック出場の経験を持つ大学生たちが中心となって、日本天文学オリンピック委員会が立ち上げられ、国際天文学オリンピック国際大会へのルートが切り拓かれました。
私自身は、科学オリンピックを経験しておりませんが、縁あって本取り組みに関わるようになりました。 学生から話を聞き、科学オリンピック参加は充実した素晴らしい経験であったこと、その後の進路でも大きなプラスになっていることなど、科学オリンピックについてとてもポジティブな印象を持っていることを知りました。 学生たちは、「高校時代に天文の国際大会があればぜひ出場したかった」という思いから、粘り強く準備を重ね、委員会を立ち上げました。2022年10月イタリアで開催される国際天文学オリンピックへの参加募集が始まると、意図を理解した中高生たちから熱い反響がありました。 今後は、出場者の決定と共に、希望する中高生を対象としたトレーニング・イベントも予定されています。 天文学に関する国際大会を目指す環境づくりは、国際大会の出場者だけが利益を得るというものではなく、それを目指す中高生の天文学を学ぶモチベーションとなり、天文分野の裾野を広げることにも大きく貢献することでしょう。
今回の取り組みは試行的な意味もあります。初めての取り組みゆえに課題となることもあるとは思いますが、解決されていくことでしょう。大学生たちは、継続的な取り組みになるよう法人組織設立の準備も行っています。 私は熱意と真摯さに満ちた優秀なメンバーに感銘を受け、応援する気持ちで相談役となっています。
出場を目指す中高生、環境づくりに奮闘する大学生たちに、温かいエールをいただけましたら幸いです。
相談役 井上毅(2022年6月)