宿泊研修を開催しました
2024年4月12日から4月13日にかけて、平塚市博物館(神奈川県平塚市)にて、第18回国際天⽂学・天体物理学オリンピック (IOAA2024) 日本代表候補を対象とした研修を実施しました。
参加者とスタッフで自己紹介を行った後、アイスブレイクを行いました。天文学の話題でワードウルフというゲームを行い、参加者の緊張もほぐれたようでした。
その後、委員の早川から望遠鏡の仕組みについての講義がありました。株式会社ビクセン様にお借りした望遠鏡を活用し、実際の望遠鏡を動かしながらの説明が行われました。参加者から活発な質問もあり、興味深く聞き入っているようでした。

また屋上では、望遠鏡や架台の組み立てや使い方の練習を行いました。望遠鏡の組み立てを参加者が実際に行うことで、講義で得た情報ともに、望遠鏡の構造について理解を深めました。

次にプラネタリウム室にて、星座や天体の位置をクイズ形式で確認しました。難易度の高い問題でしたが、懸命に取り組んでいるようでした。続いて昨年度のIOAAでチームリーダーを務めた中道より、IOAAの概要・過去のIOAAの詳細な報告・インドの天文学について説明がありました。スタッフとして参加していた昨年度のIOAA代表による生徒目線での報告もありました。夕食後、曇ってしまったものの、屋上にて夜景を用いた実習が行われました。参加者は遠くの鉄塔に望遠鏡のピントを合わせる練習などを行い、望遠鏡の扱いが上達したようでした。

最後に、委員の長谷川から実技問題のIOAA過去問の解説が行われました。実際の過去問を目にし、参加者同士で答えを検討する様子などが見られました。講義終了後、参加者らは宿泊場所に移動し研修1日目は終了しました。
2日目にはまず、委員の大平より宇宙論に関する講義を行いました。宇宙論は日本の高校教育では基本的に扱われませんが、IOAAでは頻出分野となっています。多くの参加者にとっては馴染みがなく難しいテーマでしたが、意欲的に取り組んでいました。
次にIOAAの実技課題で要求される知識について、委員の市川から講義を行いました。大会までの勉強方法なども詳しく伝えることができました。午前中最後の講義として、委員の早川より位置天文学に関連する講義を行いました。この分野もIOAAでは頻出となっており、参加者は関数電卓を使用して天体の位置計算の問題などを解きました。講義終了後も参加者同士で話し合い理解を深めていました。

昼食後はライトニングトークを行いました。参加者は「天文」をテーマとして各々の興味のあるトピックについて5分程度で自由に発表を行いました。過去に取り組んだ研究の内容や自分の興味のある分野についての調査など、個性的な発表が行われました。
2日間という短い期間でしたが、IOAA2025に向けた講義と実習を通して選手同士の仲も深まったようです。8月のIOAA2025も応援よろしくお願いいたします。